自分を豊かにするモノとの付き合い方②自分の立てる音
グラスの割れた音でハット我に返りました。
テーブルの上を片付けようとして肘が当たったみたいです。
「どこか切っていない?」「こっちは大丈夫だから、ガラスの破片に気を付けて一旦その場を離れて」と、
まずは、かなり動揺している母に声をかけて落ち着かせました。
私も割れたガラスを片づけながら「どうして割れたんだろう?いつもと何が違ったんだろう?」と思い巡らします。
で、気が付きました。自分の立てている音が普段より大きくなっていたのです。
ドアの開け閉め、食器の洗う音、椅子を引く音、そして掃除機を掛けている今も…。
なんだか今日は気持ちに余裕がない、ちょっと人から言われたことや、自分の失敗にいらいらしている。
外であった出来事を引きずってモノを扱う音が雑になってしまっていたのです。
母も私のそんなピリピリしたモードを感じていたのか、妙に緊張してグラスを割ってしまったのかもしれません。
無意識に自分の立てる物音が大きいのは、自分の状態が良くないサイン。
そして、それは周りの人にも少なからず影響を与えるのだと。
いつもゆったりした気持ちで過ごしたいけれど、そうもいかない日の方が多いのが現実です。
日々のモヤモヤを一旦脇に置いて、丁寧にモノに触れることで、自然体な自分を取り戻せるのかもしれません。
これは大きな気づきでした。
「どうして気を付けないの?」とか「これ気に入ってたのよ」と母に言っていたらもっと大切なものを傷つけてしまうところでした。
「お気に入りのグラスだったのよね、ごめんね」と何度も言う母に
「大丈夫、ちょうど新しいのが欲しかったから、一緒に見に行こう」と話して、食後のお茶の時間にしました。
(Mari)